はじめに

どうも、カラカルです。
SNS等ではよく、「今の映画はダメ、昔の方が傑作が多かった」などという言葉を聞くことがあります。おすすめ映画を書いている記事でも、大昔の作品ばかりが入っている記事も多々あったり。
ただ、筆者は本当にそうなのだろうか?と疑問に思う。もちろん昔作られた大作映画と現在のB級映画等を比べれば、昔の作品の方が良かったとなることもあるだろうが、同じ土俵だとどうなのか?個人的な見解を述べていく。
荒れそうな話題なので先に言っておくが、筆者個人の意見である。もちろんいろんな意見があってしかるべきだと思うので、そこは留意しておいてほしい。
基本的には現在の映画の方が優れている

結論から言うと、同じ土俵に立っている映画では、基本的には現在の作品の方が優れていると考える。
家電などを想像してみてほしいのだが、40年前と現在の家電では、技術の進歩によって比べ物にならないほどに性能差がある。映画も同じなのだ。映像・音響・脚本・撮影技術など、今は昔とは比べ物にならないほど進化している。
もちろん家電は昔の方が耐久性があったりなど、映画に関しても昔の方が優れていた点はあるのかもしれない。ただ、総合的に観れば今の映画の方が優れているというのは明白だろう。
昔の映画の方が良かったと思うのはなぜか?
思い出補正があるから

では、なぜ昔の映画の方が良かったと思う人が結構な割合でいるのだろうか?それは、その当時の最先端の作品で、思い出補正というものがあるからなのだ。
名作というのは、公開当時に映画館で観て心を動かされた人たちが、時代を超えて語り継ぐことで、今でも名作として語り継がれる。その作品が仮に今の時代にポンッと初めて公開されようものなら、見向きもされないものが多いだろう。
当時の最先端の怪獣映画なんかも、今の映像技術が発展した時代に公開されていれば、B級映画入りしていたかもしれない。
昔は観ることのできる映画が少なかったから

また、昔は映画の数が少なかった。その分、作られた映画が結構な確率でその時代のトップになるのだ。
現代では作られる映画の数が多くなり、他の作品との差別化を図る必要がある。そのため、クオリティは高くても自分の好みではない作品も必然的に多くなる。良い作品がいくらあったとしても、人間ダメなことの方が印象に残りやすいので、「今の作品はダメだな」と思うようになる。実際は、単に好みでないだけな場合でも、だ。
昔はそれしかないから、皆が同じ映画を観ていた。皆が同じ映画を観ていたから、話題になっていた。という話なのである。今は作品に求めるクオリティも高くなり、競争率も高い。
映画館以外で映画を観ることが多くなったから

現代では映像配信系サブスクが充実し、映画館以外で映画を観ることが多くなった。それによって、人は本来の製作者が意図した環境で映画を観ていないことが大半なのである。
もちろん映画館の環境というのも進化しており、昔の音響や投影技術などは大したものではないかもしれないが、映画館というのはやはり映画を楽しみつくすための設計がされている。サブスクなどなかった昔は当然みな映画館で観ていたわけで、スマホで観ている現代とでは鑑賞した後の評価に差があるのも頷けるだろう。
いわば、映画館マジックが影響しているのである。
映画館で映画を観た方が良い理由については、過去記事でも解説しているので、良かったら見ていってほしい。
色褪せない名作というのがあるのも事実

では、昔の映画が全て劣っているのかというと、そういうわけでもない。昔の超一流映画は、今の一流映画に引けを取らないこともある。
どの辺を昔というのかは人それぞれだが、例えば30年近く前に上映された映画「タイタニック」なんかは、今基準で観ても映像・音声・脚本どれをとってもクオリティの高い映画だろう。
ただ、こういった作品の絶対数は少ないというのも、理解してほしい。
思い出補正は悪いことではない

昔の作品が良いといわれる理由の大半を、思い出補正が占めているということがわかった。それでは、思い出補正は悪いことで、絶対に今と昔の映画をフラットな目で観るべきなのかというと、そういうわけではない。
映画なんてものは所詮娯楽なのだから、自分が楽しめればそれでいいからである。昔観た映画を観返して、その頃の感動が蘇ってきて、終わった後に余韻に浸る。なんと素敵な映画鑑賞ではないだろうか?
思い出補正ありで自分自身が楽しめるのなら、それは否定する必要がない。ただ、人に伝える時に、その作品に対しては自分の思い出補正が働いているかもしれない、という念頭に置いておくべきだろう。
作品をおすすめされた方の人が最近の映画を観なれているような人だったら、それと見比べて劣っていると判断してしまうかもしれないということは、ここで伝えておきたい。
結局は、自分にとって良いと思う作品が人にとって良いとは限らない。それは好みの問題だけではなく、それまでの経験にも関係するものなのである。
まとめ

いかがだっただろうか?
昔に公開された名作は、今の名作と同じ時期に公開されていたら果たして名作になっているだろうか?ということを考えてみるのも、面白いかもしれない。
この記事を読んで、それでも「いや、やはり昔の作品の方が優れているに決まっている!」と思う人もいるかもしれない。そういった人は、昔の映画を観続けるのが良いだろう。あなたの趣味なのだからだれも否定はしないし、あなた自身が楽しめるのだからハッピーなのである。
今では昔の作品を高画質・高音質にリマスターした、4K Ultra HD Blu-rayなんかも出ているので、昔の作品をさらに良い環境で鑑賞することも可能だ。そう考えると、今の作品に引けを取らないクオリティになる作品も少し増えるのかな?
ここで書いたのはあくまで筆者個人の意見である。みんなの今の作品・昔の作品に対する意見はどうだろうか?
良かったら、みんなの意見もコメントで書いてみてほしい。
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