【ホームシアター】シネマスコープのスクリーンを導入すべきか?

ホームシアター

はじめに

こんばんは、カラカルです。

映画は作品によって縦横比が異なり、大多数が「シネマスコープ」と呼ばれる縦横比なのをご存知だろうか?

テレビの画面が横:縦の比が16:9なのに対して、シネマスコープについては2.35:1という比になっている。少し横に長いのだ。

これを16:9のTV画面で表現しようとすると、上下に黒い帯が出ることになる。16:9の映像より少し小さく感じることだろう。しかし、映画館で映画を観る場合には、この問題が解決されていることが多いのだ。この辺に関しては、以前の記事で紹介しているので、良かったら見ていってほしい。

映画館で画面が小さい問題を解決できるということは、ホームシアターでも解決できるのでは?という疑問が頭に浮かぶ。結論から言うと、解決はできるがおすすめはしない。

本記事では、シネマスコープを採用する方法から、メリット・デメリットについて解説していく。良かったら参考にしてほしい。

シネマスコープとは?

シネマスコープ(Cinemascope)は、映画の映像規格の一つで、横長の画面比率(アスペクト比)2.35:1を特徴としている。「シネスコ」と略されることも多い。

この規格は1950年代に導入され、映画の視覚的インパクトを高めるために広い視野で映画を鑑賞できるように開発された。

特にアクションや壮大な風景を強調するために多用され、映画館での鑑賞体験をより迫力あるものにしてくれるものである。

おそらくその辺の映像に上下の黒帯を付けるだけで、映画っぽくなるだろう。映画とシネマスコープは切っても切れない関係なのである。

シネマスコープをホームシアターで導入する方法

本項で説明する方法は、シネマスコープの映像をスクリーンいっぱいに映す方法である。その前提で、記事を読んでいってほしい。

方法としては、大きく二つある。

黒帯の部分をブラックマスクで隠す

こちらは割とリーズナブルな方法である。

スクリーンの黒い枠の部分を「ブラックマスク」と呼び、これで映像を囲うことで映像が引き締まり、映像を引き立てることができる。

シネマスコープの黒帯の部分までを、ブラックマスクで覆ってしまおうというのが、本手法となる。

例えば、シアターハウスから下記のようなスクリーンが出ている。

引用:シアターハウス

このスクリーンはブラックマスクを動かすことができ、シネマスコープの作品を観る際に黒帯の位置まで移動させることができるのだ。

メリットとしては、シネマスコープの作品とそれ以外の作品で、このスクリーン1つでつっかいわけることができる点だ。ブラックマスクの位置を記録する機能があるので、ボタン一つで使い分けることができる。

デメリットとしては、あくまで黒帯の部分を隠しているだけなので、横長の映像を楽しんでいる感が薄いという点だ。後で紹介するアナモフィックレンズを使用する方法と比べたら、シネマスコープの映像を楽しんでいる感覚は薄くなるだろう。

アナモフィックレンズで映像を横に伸ばす

こちらは、クオリティを担保できるが、若干レベルではないほどコストがかかる方法となる。ただ、方法としてはこちらがメジャーなものである。

Vストレッチという機能を備えたプロジェクターと、アナモフィックレンズというレンズを組み合わせて実現する方法である。組み合わせたものが下記画像となる。

引用:AVAC

Vストレッチ:映像を縦に引き伸ばす機能で、シネマスコープの映像などを16:9の映像にすることができる

アナモフィックレンズ:プロジェクターの映像を横方向に圧縮して投影できるレンズ。
※アナモルフィックレンズと称することも

つまり、Vストレッチで映像を縦に伸ばし、それをアナモフィックレンズで横方向に圧縮することで、シネマスコープの投影を実現しているのだ。これをシネマスコープ用のスクリーンに投影することで、映画館と同様の映像を再現することができるのだ。

引用:シアターハウス

メリットとしては、映画館のようなダイナミックな映像を楽しむことができる点である。横長の状態で映像を投影しているので、横長の視野の広い映像として楽しむことができるのだ。また、アナモフィックレンズは、表面が曲がっているカーブ度スクリーンにも対応することができる。

デメリットとしては、圧倒的に高価であることだ。アナモフィックレンズ自体もそうであるし、Vストレッチ機能を持つプロジェクターも、限られた高価なモデルのみとなる。設置も素人では難しい。また、こちらの方法はシネマスコープの映像以外を投影する場合に、逆に映像の横幅が縮んだ状態で鑑賞することになってしまう。

シネマスコープを導入すべきではない

ここからは筆者の意見になるのだが、すべての映画を最大限楽しみたいのならば、シネマスコープのスクリーンは導入すべきではないと思っている。理由について話していく。

導入費用が高くなる

先ほども述べたが、しっかりとシネマスコープのスクリーンを導入しようとなると、コストが莫大に上がってしまう。アナモフィックレンズやVストレッチ機能のプロジェクターなど、高価な製品が必要となってくるのだ。

費用が潤沢にある人なら検討の余地があるかもしれないのだが、普通の人は頑張っても手が届かないレベルであると思う。

そこに費用をかけるなら、アンプやスピーカーなどに費用をかけた方が、最終的な満足度は高くなるだろう。

シネマスコープ以外の作品を観た時に微妙になる

ここが一番のデメリットだと思っていて、シネマスコープのスクリーンを導入してしまうと、そうでない作品を観た時に横幅が小さい状態で観てしまうことになる。これは大きなデメリットだ。

もちろん16:9のスクリーンで観ている時はシネマスコープの縦幅が小さい状態で観ることになり、シネマスコープの作品の方が多いのだから、導入する方がメリットが多いのでは?という声もあるかもしれない。

しかし、シネマスコープは横幅を広げることで視野を広げ、映像をダイナミックにする。すなわち、縦幅より横幅の方が映画においては重要なのだ、と筆者は思う。

じゃあ、ブラックマスクを動かせるスクリーンを導入しては?という意見もあるかもしれない。しかし、世の中には作品の中で縦横比が切り替わるという作品があるのだ。

引用:ワーナーブラザース

これに対応しようとすると、鑑賞中にブラックマスクを動かす必要がある。これは非現実的である。

全ての作品を楽しむことができないホームシアターの導入は、機会損失になってしまうと筆者は考える。よって、シネマスコープのスクリーンについては導入すべきではないと考えている。

まとめ

いかがだっただろうか?

ここで紹介した方法と、それに対する意見についてはあくまで筆者の一意見である。

筆者はシネマスコープのスクリーンを導入すべきではないと考えているが、皆さんはどう思っただろうか?人それぞれ重要視する部分は違うと思うので、もしそれでも導入したいといった方は、むしろ応援している。

みんなが最大限自分自身のシアターライフを楽しめることを祈っている。

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