はじめに

おはようございます、カラカルです。
本日は、ホームシアターにおけるプロジェクターの光源についての解説をする。プロジェクターには、主に水銀ランプ・LED・レーザーの3種類がある。それぞれ映像クオリティ・コスト・寿命などの要素を中心に、色々な違いがある。もちろんスペック全てが優れているもにについては、コストが膨大となるであろう。
本記事においては、それぞれの光源についての解説をした後、どんなケースでどのような光源がおすすめなのかについても述べていく。
プロジェクターを導入したいが、今の自分はどれを選べばいいのか悩んでいる人の参考になれば幸いだ。
水銀ランプ
引用:EPSON
まずは、水銀ランプという光源について解説をしていこう。
概要
水銀ランプは、長年にわたってプロジェクターの光源として使用されてきた技術である。いわば、原初の技術だ。このタイプのランプは、放電を利用して光を発生させるため、高い輝度を実現可能だ。特に映画館や大規模なプロジェクターにおいて、よく使われている。
光源寿命
水銀ランプの光源寿命は、他の光源に比べて圧倒的に短い。2000~4000時間であることが多いだろう。なので、普段使いとは相性が悪いかもしれない。
ただ、この話はここで終わりではない。水銀ランプのプロジェクターは、ランプの取り換え可能なものが多いのだ。なので、ランニングコストはかかるものの、長持ちさせることは可能だ。
その製品のランプの取り扱いがなくなった場合は、もちろん取り換え不可能となるので、注意しよう。
起動までの時間
水銀ランプは起動まで時間がかかる。電源をONにして投影が開始されてから、MAXの輝度になるには数分かかることがある。
こちらも普段使いには向いていない理由となるかもしれない。
コントラスト
こちらは、LEDやレーザーに負けている部分だろう。色鮮やかな表現は、やや弱い部分がある。
輝度
起動に時間がかかるものの、MAXの明るさになればそこそこの輝度は担保できる。映画館でも使われているレベルの輝度を誇るので、正直ホームシアターの専用部屋等で真っ暗にして観る分にはまったく問題はないだろう。
初期コスト
初期コストについては、数万の物から手に入るので、比較的安価といえるだろう。ハイエンドなモデルであったとしても、家庭用だと数十万円がMAXといったところだろうか。
ランニングコスト
ランニングコストは、水銀ランプが最もかかる。というか、他とは段違いだ。
他では発生しない、「ランプ交換費用」というものがかかってくるからである。しかもこれが馬鹿にならないぐらい高い。
加えて、発熱させて発行するので、えらく電気代もかかってくる。ただでさえプラスアルファのランニングコストがかかってくる上に、元のランニングコスト自体も高いのである。
LED
引用:Viewsonic
次に、みんなにもなじみ深いかもしれない、LED光源についての解説を行っていく。
概要
LED光源は、比較的最近になって登場した光源である。LED電球などと技術的には同じで、比較的小型化できるというのが特徴だ。
光源寿命
光源寿命は平均20000時間と、水銀ランプの5倍ぐらいはある。ランプの交換というイベントが、発生しないのである。万が一寿命が来た場合は、買い替えることになる。
ちなみに目安としては、365日の間に毎日4時間欠かさず使用したとして、13年以上かかることになる。普通はそんなに使わないし、使ったとしてもそれはもう買い替え時に達しているだろう。
というわけで、寿命の心配はしなくてよいというのが、LED光源の強みである。
起動までの時間
起動までの時間も早く、普通は数秒である。LED電球がスイッチを押した瞬間に点灯するのと、仕組みとしては同じだ。
スイッチを押してすぐに映像を観ることができるようになるので、環境を整えればテレビのような感覚で使用できるようになるだろう。
コントラスト
コントラストに関しては、若干弱いところがある。水銀やレーザーに比べて、劣るところだ。
しかし、ここに関しては技術がどんどん進歩してきているので、差はありつつも埋まってきているところでもある。今後の伸びしろがある項目といえるだろう。
輝度
輝度に関しても、コントラストと同様に他と比べてやや劣るところがある。LEDプロジェクターに関しては、工夫しないと基本的には暗室での使用想定となるだろう。
明るい部屋でも使用するためには、やや値段は高めだが特殊なプロジェクターが必要となる。そちらについては、過去に「超短焦点プロジェクター」に関する記事で紹介しているので、良かったら参考にしていってほしい。
初期コスト
初期コストは、水銀ランプとレーザーの中間といった感じである。エントリーレベルでもそれなりの値段はするが、逆にハイエンドなモデルに関してはそこまで高くないといった印象である。
※LEDに関してはそもそもハイエンドモデルが少ない
長く使える製品になるので、ちょっと奮発してテレビ代わりになるものを買うといった場合に、ちょうどいい選択肢になるだろう。
ランニングコスト
消費電力もLEDは基本省エネなので、大してかからないものである。
加えて、ランプの交換費用もかかってこないので、ランニングコストに関しては最も安いと考えて良いだろう。
レーザー
引用:Victor
最後に解説するのは、レーザー光源についてだ。
概要
レーザー光源は、プロジェクターの中では最先端の技術である。製品スペック的には、基本的にどの光源よりも高品質になるのが特徴だ。
光源寿命
光源寿命に関しては、LEDと同じく平均20000時間である。
ランプ取り換えの心配がいらない点では、メリットとなるだろう。また、ものによっては30000時間に及ぶ寿命を持つ製品もあるので、寿命に関しては最も秀でているといえるだろう。
起動までの時間
こちらもLEDと同様で、軌道にかかる時間はほとんどない。TVのような感覚で、使用することが可能だろう。
コントラスト
コントラストは、レーザー光源が最も優秀である。深い黒と鮮やかな色合いなど、無限大のコントラスト比を再現可能だ。
色彩豊かな映画や、暗いシーンが多い映画などでは、その効果をふんだんに発揮してくれるだろう。
輝度
輝度に関しても最も優秀で、昼間のリビングなどでも使えるモデルがたくさんある。
大型のスクリーンになると輝度が落ちることもあるが、レーザー光源ならば問題なく大型スクリーンにも対応できることだろう。
リビングシアター、または大規模な専用室シアターを作ろうと思っている人には、ぴったりだ。
初期コスト
さて、ここまで良いことづくしレーザー光源であったが、ここで最もデカいデメリットにぶち当たる。
そう、かなり高いのだ。最低数十万円から、ハイエンドモデルになると数百万なんて値段もざらにある。奮発したら買えるとか、そんなレベルじゃなくなるモデルがいっぱい出てくるのだ。
もし導入するとなったら、基本的には生涯使い続けるような買い物になるだろうから、慎重に選ぶ必要が出てくる。
ランニングコスト
ランニングコストについては、LED同様基本的にはランプの交換の必要はないので、そこにはかかってこない。
消費電力に関しては、大型の筐体を持つ製品も多々あるので、若干かかってくる。ランニングコストに関しては、3つの中では中間に位置するといえるだろう。
おすすめの光源についての解説

ここでは、おすすめの光源を2パターンのケースに当てはめて発表する。
エントリーモデルとして使いたい人はLED光源
ガッツリとホームシアターを組むつもりはない人なら、LED光源がピッタリだろう。初期費用はそこそこで、ランニングコストはかかってこないからである。
最近では4K対応のモデルなども出てきているので、それなりのクオリティで映像を楽しむこともできるのだ。輝度が若干心配ではあるが、部屋を暗くして使う分には問題ないだろう。
ライトにホームシアターを楽しみたい人は、LEDを強くおすすめする。
クオリティの高いホームシアターを作りたい人はレーザー光源
ある程度しっかりとしたホームシアターを組みたい人なら、断然レーザー光源をおすすめする。映像クオリティが段違いだからだ。
コントラスト・輝度・解像度など、本格的なシアターを大きなスクリーンで実現するために必要な要素が全てそろっている。
初期費用が心配かもしれないが、疑似的な4Kプロジェクターとかだと、最近では30万円台でも出てきたりしている。性能の良いテレビを買うレベルの値段である。
テレビを買おうと思っているなら、ぜひ代わりとしてプロジェクターの検討もいかがだろうか?
水銀光源は基本的にはおすすめしない
水銀光源は昔からある技術であると説明したが、基本的にはおすすめしない。ランプの寿命を気にしないといけない上に、クオリティでは他の2つに断然劣ってしまうのである。
初期費用はあまりかからないと言ったが、近年ではLED光源のモデルなどではどんどん安いモデルが登場してきている。そうなった時に、水銀ランプの優位性というのはなくなってしまうのである。
昔買った性能の良い水銀ランプのプロジェクターを、ランプを交換し続けて使い続けているのなら話は別だが、そうでない場合はわざわざ水銀ランプを選ぶメリットは薄いだろう。
まとめ

いかがだっただろうか?
ここまでで水銀ランプ・LED・レーザー光源の特徴をそれぞれ解説してきた。筆者としては後ろの2つをおすすめしているが、コストをかけられないが輝度を確保したい場合などでは、水銀ランプが候補に挙がることもあるだろう。
皆さん自身のニーズを分析して、自分に合ったプロジェクターを選んでいってほしい。本記事が、その一助になれば幸いである。
皆さんの映画ライフが、より豊かになることを心から祈っている。
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